「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに、ゆかいなことはあくまでもゆかいに 」井上ひさし
レトリックとは?
結論から申し上げますと、レトリック=「説得術」です。
”話が上手な人はたとえが上手”ってよく聞きません?
え、聞いたことない?
そんな人は、食リポで有名な彦摩呂さんを思い出してください
「宝石箱や~」
「満員電車や~」
と、満面の笑みで言いますよね
でも、実際に彦摩呂さんは宝石箱や満員電車を食べてるわけではありません。満面の笑みで満員電車を食べてたら怖いです。
ですが、「満員電車や~」によって見ている私たちは、「満員電車くらい中身がぎっしり詰まっているんだな」というのをくみ取ります。
彦摩呂さんは、料理を満員電車に例えることで、「ぎっしり詰まってまっせ!」ということを伝えたのです。
これがレトリック(=説得術)です。
しかし、少しひねくれてる人なら「彦摩呂さんの食リポでそんなに説得されないけどなぁ」と思うかもしれません。
思春期の心を忘れない純粋な揚げ足取りのみなさん、安心してください!
実は、現代の日本におけるレトリックにはもう一つ意味があります。
それは魅力です
彦摩呂さんに限らず、フットボールアワー後藤さんのたとえツッコミとかも、説得というよりは”面白い”ですよね
わたし、「耳キーンなるわ!」ってツッコミめっちゃ好きなんですよ笑
あれも、大きなギャップを標高の高低差に例えるというレトリックなのです。
レトリックは言葉の魅力を引き出す物でもあるのです。
つまり、レトリックのある文章とは、魅力的で説得力がある文章なのです。
そんな日本語のレトリックの手法をまとめていきます。
日本語のレトリックには大きく分けて3つ、意味のレトリック、形のレトリック、構成のレトリックがあります
今回は①、「意味のレトリック編」です
意味を転換するレトリック
隠喩(類似点を見つける)
○○は△△だ。のようなものもあれば、例えば”基礎”のように建物に使う言葉を”ジャンルの基本”というたとえで使ったりもします
例:人生は旅である。勉強は基礎が大切。
直喩(類似点を明記する)
隠喩と似てますが、隠喩と違い、まるで○○のように××だ、と類似点を明記します
例:彼はまるでスッポンのようにかみついたら離れない
擬人法(ヒトにみたてる)
モノを人に見立てることで、そのものの状態や変化を豊かに表します
例:時間の流れの中で、風はその顔を変える
共感覚法(五感を結ぶ)
”さらっとした味”のように味覚を触覚で表現したり、五感の間で表現を行き来させる手法
例:黄色い声(聴覚を視覚で表現)
くびき法(一人二役をこなす)
一語で二つの意味の役割を与えること
例:スピーチとスカートは短い方がいい(時間の役割と長さの役割)
換喩(指示をずらす)
”鍋が煮える”。実際に煮えているのは鍋の中身。このように指示をずらすこと
例:漱石を読む(読むのは漱石が書いた本)
提喩(カテゴリーをあやつる)
”ごはん”のように、本来は炊いた米のことなのに食事全般を指すこと
例:高校野球(高校野球には軟式と硬式があるが、この場合硬式を指す)
意味を調節するレトリック
誇張法(度を越して伝える)
極端におおげさなものの言い方をすること
例:ノミの心臓(そんなに小さいわけがない)。鉄の心臓(そんなに硬いわけがない)
緩叙法(ひかえめに伝える)
ことばを控え、うちに秘めた強い感情を伝える。
例:ちょっと話がある(重要な話がある雰囲気が出る)
曲言法(反意語を否定する)
言いたいことの反対を否定して言いたいことを言うこと
例:成績が良くないはずがない(絶対に良いだろうという強調)
同語反復法(意味をつなぎとめる)
”犯罪は犯罪だ”のように、同じ言葉を繰り返し、意味の変化に歯止めをかけること。
例:コレはコレ、ソレはソレ
撞着法(反意語をぶつける)
正反対の言葉を結び付けて意味を造型すること
例:生と死
意味を迂回するレトリック
婉曲法(ズバリ言わない)
言いにくいことを遠回しに言うこと。死や性、障害などでよく用いられる
例:旅立つ(亡くなるの意)
逆言法(言わないといって言う)
”言えない”といって言いたいことを言葉にすること
例:言葉にならない。絶句。
修辞疑問法(疑問文で叙述する)
形は疑問文なのに意味は平叙文に近いという表現法
例:考えてはどうであろうか
含意法(意味を推測させる)
推論によって意味を伝えること
例:少し暑いね(窓を開けてほしい)
以上です~
参考文献↓
続きはコチラ↓
③はコチラ↓