「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日
俵万智『サラダ記念日』
レトリックとは?
結論から申し上げますと、レトリック=「説得術」です。
”話が上手な人はたとえが上手”ってよく聞きません?
え、聞いたことない?
そんな人は、食リポで有名な彦摩呂さんを思い出してください
「宝石箱や~」
「満員電車や~」
と、満面の笑みで言いますよね
でも、実際に彦摩呂さんは宝石箱や満員電車を食べてるわけではありません。満面の笑みで満員電車を食べてたら怖いです。
ですが、「満員電車や~」によって見ている私たちは、「満員電車くらい中身がぎっしり詰まっているんだな」というのをくみ取ります。
彦摩呂さんは、料理を満員電車に例えることで、「ぎっしり詰まってまっせ!」ということを伝えたのです。
これがレトリック(=説得術)です。
しかし、少しひねくれてる人なら「彦摩呂さんの食リポでそんなに説得されないけどなぁ」と思うかもしれません。
思春期の心を忘れない純粋な揚げ足取りのみなさん、安心してください!
実は、現代の日本におけるレトリックにはもう一つ意味があります。
それは魅力です
彦摩呂さんに限らず、フットボールアワー後藤さんのたとえツッコミとかも、説得というよりは”面白い”ですよね
わたし、「耳キーンなるわ!」ってツッコミめっちゃ好きなんですよ笑
あれも、大きなギャップを標高の高低差に例えるというレトリックなのです。
レトリックは言葉の魅力を引き出す物でもあるのです。
つまり、レトリックのある文章とは、魅力的で説得力がある文章なのです。
そんな日本語のレトリックの手法をまとめていきます。
日本語のレトリックには大きく分けて3つ、意味のレトリック、形のレトリック、構成のレトリックがあります
今回は③、「構成のレトリック編」です
①②はコチラ↓
構成のレトリックは、文だけにとどまらず、文章や段落などにも応用できたり、工夫次第で文字が様々な躍りかたをする(これが擬人法)のでとても面白いと思いますし、個人的にはこれが上手い文章は頭がいい文章だと思っています。
ここでは方法を並べるだけになってしまいますが(長くなってしまうので)、「日本語のレトリック」という本には様々な例や応用、使うコツなどが載っているので、気になった方は是非↓
仕掛けで語るレトリック
漸層法(しだいに盛り上げる)
しだいに盛り上げてクライマックスに持っていく
例:10個や20個にとどまらず、なんと50個の餅をたいらげたのです
逆説法(常識を裏返す)
常識を覆すことで、世の中の真理を考えるきっかけを与える
例:早い者勝ち⇔急がば回れ
諷喩(たとえ話で語る)
連続した隠喩。たとえ話。
例:猿も木から落ちる(上級者でもときには失敗する”たとえ”)
引用で語るレトリック
反語法(引用して皮肉る)
皮肉で意味を伝えること
例:「痩せたい~」「そりゃ、痩せたいよねぇ」(太ってるもんねという皮肉)
引喩(引用に重ねる)
引用による比喩。よく知られた言葉を用いて語ること。
例:少年よ大志を抱け、頑張れ!
パロディー(ふざけて引用する)
引用しながら中身をすり替える
例:「この刺青(いれずみ)いいわ」と女(すけ)が言ったから七月六日はカラダ記念日 (筒井康隆)
文体模写法(文体を引用する)
パスティーシュ。内容をあまり気にせず、文体をまねる。
以上です~
参考文献↓
①②はコチラ↓